1月22日(月)から23日(火)にかけ、4年ぶり、関東では稀に見る大雪が降った。
1月24日(水)、その日私は、VXCruiserを牽引し、ワールドジェットスポーツマガジンの撮影のため、ジェットフィールド湘南に8時前に到着した。
雪の影響で首都高や圏央道などが一部通行止めとなっているため、埼玉北部の自宅から全て下道を利用して深夜に出発しても6時間半掛かった。
一般道には、雪の塊が所々残り、 トレーラーはノーマルタイヤだったのでスリップ等の危険があり、スピードが出せない状況だったせいもある。今後の準備として、トレーラー用のスタッドレス又はチェーンを予め取り寄せておくべきだと思った。何軒ものカー用品店に問合せたのだが、タイヤサイズに合ったそれらの物は何処にも置いていなかった。
車のドアを開けると、強い風が吹き込んできた。
早速ドライスーツに着替えるために、着替えの小屋へ向かった。
小屋へ向かう途中、雑誌社のカメラマンから「今日は寒いですね!頑張ってくださいね。」と声を掛けられる。
強風が体をすり抜け、「今日の撮影はどれくらい寒いのだろうか。」と不安が押し寄せる。
グッリップヒーターとハンドルカバーが装着されたヤマハVX Cruiserに乗船し、中速でジェットを走らせた。
ヒーターのレベルは最高のレベル5にしてあった。
最初の1〜2分のうちは、(すっごくあったかくて、快適だな) と感じていたが、すぐに熱く感じるようになった。
10分ほど経つと、グリップは握っていられないほど熱くなっていた。
ホッカイロの最高に熱くなっている状態よりも2倍くらい熱かった。
グローブをしていてほんとよかったと思った。
気づくと、手が温められたことで、体全体が温まっていた。
私は今日ここに来る前に、このグリップヒーターをバッテリーに取り付けた状態で、弊社で体感テストしてきた。(3分くらい)
グリップヒーターを箱から出し、バッテリーのターミナルに配線だけ繋げた状態にして、温度レベルを最高レベルの5にしてどれくらい暖かくなるかを試してきたのだ。
素手で握った状態で、気持ちいい暖かさかな、っていう感じだった。
ホッカイロを握って、熱さを感じない程度の暖かさ。
寒い気温の中、少し暖かいくらいでも何にも発熱するものがないよりはマシっていう事なんだろうな、と思った。
あまり長くやっていると、バッテリーが上がってしまうので、それ以上は試さなかった。
今回グリップヒーターを装着した状態でテスト走行をしてわかったこと。
●エンジンをかけて走行することで電圧が正常値まで上がり、グリップヒーター本来の性能が十分に発揮され、温度がどんどん上がるのだ。
陸上でバッテリーに繋げただけの状況と違い、アクセルを開け中速走行しているだけでも、電圧は正常値まで上がり、グリップヒーターへの発電を促すのだ。
●それからハンドルカバーを装着することで、グリップヒーターの表面の熱が奪われにくくなり、更に予想以上に蓄熱されるのだ。
波を被ることがないツーリングであれば、ハンドルカバーを装着した状態ならば、レベル1〜2程度がちょうど良いだろう。
ハンドルカバーが邪魔と感じるのであれば、カバーをしないで、レベルを少し上げてレベル2〜3(最高は5)にするとちょうど良い気がする。
ハンドルカバー無しで、波を激しく被ったりする走行や、凍てついた体を急速に温めたいのであれば、レベルを最高の5に上げればとてもあったかくて快適なのだろうと思う。
初めてグリップヒーターを装着し、体感してみて、感じたこと。
冬のツーリングなどは、とてつもなく寒くなる場合がある。
寒いからといって、帰港先まではジェットを操縦しなければ帰れない。
ツーリングを途中でやめるわけにはいかない。
体全体が温められ、熱くなるほど発熱するこのアイテムは本当にジェットを一年中楽しむライダーにとっては画期的なものになりうるかもしれない。
どれほどの耐久性があり、どのような不具合が発生するかは、今後何度も試してみないことにはわからないのだが。
秋の紅葉ツーリングから春のお花見ツーリングまでの5〜6ヶ月間使用でき、ワンシーズンで交換が必要だとしても十分満足だ。
一年中快適にジェットに乗ることをサポートしてくれる素晴らしいアイテムとなれば、これ以上のものはおおそらく無いだろう!