スタンドライブの保守点検
2014年5月28日
ドライブ船(SD)のメリットは...
舵効きが良く狭い港での離着岸がスムーズ、またチルトアップにより浅場への接近やロープが絡まった時の対応が容易というメリットがあります。
しかし、デメリットとしてシャフト船(IB)に比べドライブ本体にクラッチが組み込まれ(無いものも有)ブーツやケーブル等付帯部品も多く複雑な構造ゆえ故障発生率も高くなります。
ブーツ、オイルシール、アノード、ギヤオイル等は一般的な交換部品ですが、係留艇の場合15年を経過するあたりから、アルミ合金の電蝕作用によりドライブ本体に穴があいたりフォークがやせ細り折れたりするケースもあるので注意深い点検が必要となります。
ヤマハMU20ドライブ
釣り糸でオイルシールが破損
ヤンマーSZ111ドライブ
電蝕で痩せ細ったフォークは交換
船底防汚シートの寿命
西伊豆探訪
2014年5月22日
先日、西伊豆を旅して来ました。
以前熱海から下田にかけての東伊豆は訪れたことがあり、これで伊豆半島を一回りしたことになります。
ボート屋を30年もやっていますと日本の海岸線はほぼ行き尽くした感があり、そもそも今回の西伊豆観光の動機は...行ったことがない!という単純なもの。
それとボートクラブ6月号に西伊豆の松崎マリーナさんを取材した記事があり、是非ハーバーマスターとお会いしたかったというのがもう一つの理由です。
レンタカーで三島を出発、富士山を望む十国峠(伊豆スカイライン)→韮山→修善寺→上蓮の滝→旧天城トンネル→下田→石廊崎→堂ヶ島→土肥→三島という経路で西伊豆を満喫しました。
西伊豆は切り立った山々と太平洋独特の荒々しい海が織り成す素晴らしい景観がありました。
田舎者の私が言うのも何ですが電車もなく交通の不便さがまたここの魅力なのかもしれません。
これで残すは三陸海岸北部と北海道襟裳海岸となりました。
大好物金目の煮付けを前に顔がにやけています
雑誌の通り松崎マリーナ濱田様は朗らかな方でした
このポーナム26のオーナーは有名ゴルファーIさん
加山雄三の依頼で光進丸三世を査定←冗談ですよ~
ウエディング
台湾ボートショー
2014年5月16日
先週、クリエイションさんのお計らいで台湾ボートショーに参加させて頂きました。
関空から台湾の高雄までは約3時間のフライト...
そして運賃はピーチなら往復2万円弱!この驚異的な安さに正直落ちないか心配しました(汗)
海に隣接したモダンな会場は、昨年このボートショーの為に建てられたとのこと...そこからも高雄市のマリンに対する意気込みが伝わってきました。
屋内にはホライゾン社の110Fがありこの展示に至る経過が上映されたり、メガヨットの存在感に圧倒された次第です。
ホライゾン社以外にも有名どころのジョンソン社、プレジデント社、それ以外にも多くのマリン用品関連の展示があり賑やか、規模的に横浜ボートショーと比較して遜色なく、とても初回のボートショーとは思えませんでした。
夜は夜で各国からのゲスト(大半がホライゾンオーナー)とディナーショー...
私なんか場違いって感じでしたが、脱日常というか暫しインターナショナルな気分に浸ることが出来ました。
二日目はバスを仕立てホライゾン社の工場見学、よくもまあこんなでかいものをFRPで精巧に造るもんだと感心しました。
今や台湾ボートのクオリティーは欧米先進国のビルダーと充分戦えるレベルになっていると実感しました。
日本も台湾に倣い『造船王国日本』の復活を望むばかりです。
何か自然とテンション上がります
あちらこちら美女だらけ
この会場の雰囲気に酔いしれます
メガヨット生産世界7位のホライゾン工場
今年のGWも終わりました...
2014年5月 6日
GW牛窓のお天気は二日間雨に見舞われた以外ほぼ晴天でした...
さて皆様におかれましてはどのようにお過ごしになられたのでしょうか?
期間中弊社は日頃お見えにならないオーナー様の出港や、遠方からのシースタイル会員様のお世話等で多少バタつきはしたもののバブル時代の忙しさに比べれば大したことはありませんでした。
また、エンジントラブルによる曳航が一件あった他は大きな海難事故もなくほっとしているところです。
ということで、GWを境に今度は夏の商材を仕上げていく日々が続きます。
船外機はOH、艇体はラインテープ張替&ガンネル交換後バフ掛け
バウスプリットも一旦取り外します
FBはオーニング&全シート張替と防汚カバーを新規作製
キャビン内も手を入れます
中古艇価格について(長文)
2014年5月 3日
私が弊社HPに『中古艇購入のワンポイントアドバイス』を掲載し早いもので8年が過ぎました。
最近では某検索サイトで露骨なまでに文章をパクられ、嬉しいやら悲しいやら...
そしてこの間も中古艇人気はウナギ登り、多種多様な船が様々なチャンネルで売られるようになり活況を呈しております。
しかし、まだまだ初心者にとっては不透明で難解な部分があるのも事実です。
さて、本日はおさらいの意味を含め『中古艇価格』の検証をしたいと思います。
では弊社の在庫艇を例に解説します。
ヤマハFW23ー85CV(H6年製造)仕入
運送費
85CV 貿易業者に現状売却
F60CETX(H17年製造)仕入
艇体補修・ガンネル交換・バフ掛け
船底塗装 一旦剥離作業後下上塗
船外機消耗品交換・脱着作業
バッテリー95A交換
試運転燃料代・上下架料
■弊社原価計 (艇体+船外機+部品+工賃)
■弊社販売利益
■弊社小売価格 ¥970000(消費税込)
*船舶検査費用及び進水諸経費は別途となります。
当然ながら中古艇には個体差があり年式が古くなればなるほど劣化が進み、再生費は加速度的に跳ね上がります。
上記船外機艇においても一定の完成度を求めれば小売価格は仕入価格のほぼ2倍、元々高額なディーゼル艇ともなれば再生部品&工賃が数百万単位になることも決して珍しくありません。
ただマリン業者も多種多様、現物確認を行なうこともなくスマホ画像と巧みな話術で売りさばく業者、はたまたバフ掛けと船底塗装しかしない(出来ない)業者etc...くれぐれも試乗と整備履歴の確認はお忘れなく!
また逆説的には4~5年落ちまでの高年式陸置き艇などであれば個体差も少なく再生費もかさまないのでこれが安価に入手出来ればお買い得です。
ということで、現状渡し物件の商談は購入後の整備再生費を念頭に入れ臨んで下さい。
PS:当初、仕入価格・再生経費・利益項目ごとの数字まで列挙し解説しようとも思いましたがあまりに生々しいので止めました。
再生中のFW23
F60セティング中
整備中のF60
コンソール部